十条駅から板橋駅まで猛暑の散歩 |
そんな中、たまたま十条で知人と約束があった。ここらをうろつく機会はこの先もあまりなさそうなので、暑い中、十条駅から板橋駅まで歩いてみることにした。
Google Mapで見てみると、陸上自衛隊の十条駐屯地の南側には、北区中央公園という大きな公園がある。園内は木が生い茂っていて、太陽の光を遮ってはいるのだが、何となく湿っぽくて立ち止まると蚊に刺されそう。ベンチに座ることなく、公園の南端まで抜けた。
公園の南端には区立中央公園文化センターという、古風な建物があった。この建物は、第二次大戦前、陸軍東京第一造兵廠(兵器工場)の本部として1930年(昭和5年)に建てられたという。戦後、造兵廠の一部は米軍に接収され、米軍施設として使用されてきたが、区をあげての返還運動が実り1971年(昭和46年)に返還されたという。なかなか趣のある白亜の建物だった。
その後、住宅街を抜けて寿徳寺というお寺の墓地沿いに南へ。石神井川とぶつかった。大雨対策なのか、都心の神田川と同じくかなり深くコンクリートで固められた川になっている。そばに、谷津大観音という菩薩坐像があった。2008年開眼なので比較的新しい仏像のようだ。高さが8メートルほどある。
石神井川を南へ渡って、川沿いに歩くと東京国際フランス学園という、在日フランス人向けの学校があった。フランスの三色旗が掲げられている。
ちょうど下校する小学生が数人いて、一緒に板橋駅方面に歩いて行った。板橋駅周辺は庶民的な商店街が残っている。駄菓子屋があって、フランス語をしゃべるフランス人の小学生がワイワイたむろしていた。駄菓子屋で盛り上げるフランス人小学生というのは、ちょっと不思議な光景だった。
板橋駅前につくと、「新撰組隊長 近藤勇墓所」という看板が目に入った。毎日、通勤で通過している駅前にこんな史跡があったとは! そういえば、新選組「局長」近藤勇は、中山道板橋宿近くで斬首処刑されたのだった。
こちらの墓所は、先ほどの寿徳寺よって管理されており、毎年、近藤勇の命日である4月25日供養祭が行われているらしい。一度、出かけてみたいものだ。
とにかく暑かった。板橋駅前のマクドナルドでアイスコーヒー片手に涼んで、猛暑のお散歩終了。
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